こんにちは、かとえりです。
コロナ禍でステイホームが定着しつつあるこの頃ですが、その影響もあり、ハーブを栽培してみたいという方が多いようです。そんなハーブ初心者さんがまず最初に手に取るのが、おそらくミントではないでしょうか。
ミントは非常に強いので、初めてハーブ栽培に挑戦したい方にとってはうってつけのハーブです。
しかしミントは種類も多いので、どのミントを栽培したらいいのか迷ってしまう人も多いでしょう。
今回はそんな方々のために、ミントの種類や効能についてご紹介したいと思います。
目次
ミントとは?
ミントとは、ハッカ属を総称する植物です。
メントールによる爽やかな香りが特徴的で、心身をリフレッシュしてくれます。
そもそも「ミント」の名は、ギリシア神話に由来します。冥界の神ハーデスが熱愛した妖精のメンテーは、ハーデスの妻であるペルセポネの嫉妬に触れて、草に変えられてしまったそうです(メンテーがミントになったということですね)。ハーデスはメンテーを哀れみ、芳香を放つミントに変身させ、以来ミントは、その香りで人々を魅了し続けているとされています。古代ローマ時代には、ミントは薬用や香料として用いられ、テーブルをミントの葉で擦ったり磨いたりして、客をもてなす風習があったそうです。
そんなミントは、スーパーに行けば買えますし、非常に育てやすいハーブの一つでもあるので、日常使いをしている方も多いのではないでしょうか。
日本では、ミントといえばペパーミントがよく使われますが、ヨーロッパではスペアミントを意味するほど、よく好んで使われるそうです。日本原産のニホンハッカは、洋種ハッカ(ミント)に比べ、メントールの含有量が高いことが特徴です。
なおミントは、とても交雑しやすく、その種類は非常に多く600種以上あると言われており、特定することが非常に難しいとされています。
ミントの種類と違い
ご紹介したようにミントの種類は非常に多く、全てを特定することは非常に難しいとされています。
わかりやすく言うと、洋種ハッカと和種ハッカに分類できます。
私たちがよくスーパーのハーブ売り場などで見かけるペパーミントやスペアミントは、洋種ハッカ(ミント)と呼ばれています。和種ハッカは、ニホンハッカとその改良品種の総称で、日本が原産のものを指します。私たちが、よく目にするハッカとは、この日本原産のものを指しています。
昭和初期には、北海道の北見はハッカの生産地として知られ、世界生産の7割占めるほどであったそうです!
ここでは、主要なミントの種類をご紹介したいと思います。
ペパーミント
高さ50~80cmほどの多年草。角ばった茎に小葉が対照的につきます。
日本人によく好まれるミントなので、ミントといえば、ペパーミントを思い浮かべる人も多いはず。ペパーミントが文献に登場したのは17世紀のこと。ペッパーの味がするとされ、イギリスのの博物学者ジョン・レイの『植物誌』に初めて登場しました。
料理やハーブティー、芳香浴、ポプリなど様々な用途に使用される万能ミントです。
スペアミント
高さ30~60cmほどの多年草。四角い茎に、鮮やかな緑色の葉が生えます。
メントールとは異なるカルボンという成分を含んでいるため、ペパーミントよりも甘さのある香りが特徴。古代ギリシャの人々は、スペアミントを強壮剤や香料として利用したり、お風呂に入れて香りを楽しんだりしていたそうです。スペアミントの香りは、頭をクリアにし、知識欲を刺激すると信じられていました。
ペパーミントと同様、料理や芳香浴、ポプリなど様々な用途に使用される万能ミントです。
アップルミント
葉や花から、リンゴのような香りがすることから、アップルミントと呼ばれています。ハーブティーに利用することが多いミントです。
パイナップルミント
パイナップルのような香りがするため、パイナップルミントと名付けられました。アップルミントに似た形状の葉を持っていますが、葉のふちに不規則なクリーム色の斑が入っているのが特徴です。ガーデンの彩に好まれて使われます。
コルシカミント
高さ2cmほどで、歯が小さい半大寒性の多年草です。
香りは、ペパーミントに似ています。地面を覆うように広がるので、グランドカバーに利用されることが多いミントです。
ペニーロイヤルミント
昔から、犬や猫のノミよけの防虫ハーブとして知られており、乾燥させた葉っぱを布に包んだ首輪は有名です。飲用としては使用しないミントです。
ニホンハッカ
和種ハッカは、ニホンハッカ及びニホンハッカを親として日本で改良された品種についてを言います。和種ハッカは65%以上のメントールを含んでおり、上でご紹介した洋種ハッカに比べ、メントールの含有量が多いことが特徴的です。有名なものは、シュウビ、ホクト、アカマルなどがあります。
ミントの効能は?
ミントの精油主成分には、メントールが含まれています。
そのため、ミントの効能には駆風作用(腸に溜まったガスを排出する作用)、健胃作用、抗菌作用、鎮静作用、鎮痛作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用などがあります。
ただしスペアミントの主成分はメントールではなくカルボンなので、ペパーミントの代用として使用できない場合もあるので、注意が必要です。
それでは、詳しく見てみましょう。
脳の働きを活性化させる
メントールの香りは、中枢神経を刺激し、眠気を吹き飛ばし、脳の働きを活性化させる作用があります。フリスクなど市販のお菓子で、「眠気を覚ます」といったCMをよく見かけますが、それはメントールが含まれているためですね。
鎮静作用で痒みなどを抑える
蚊などに刺されると、皮膚が赤く腫れて、痒くなるかと思います。
そこにムヒなどの薬をつけると、スーッと痒みが治ってきますが、これもメントールの作用です。これは、メントールが私たちの中枢神経の鎮痛に関与する部位に結びつくために起こるとされています。*
胃腸の活性化を促す
ミントは、食べ過ぎ、飲み過ぎ、食欲不審などに効果的です。これは、メントールが胃の粘膜に働きかけ、消化液の分泌を促してくれるためです。肝臓、胆嚢の働きも促します。
「昨日は脂っこいものを食べてしまい、胃がもたれているな〜」とか、「胃がだるおもくて、食欲がない」というときには、ミントティーがおすすめです。
アレルギー症状を抑える
メントールには、抗炎症作用があります。
アレルギーとは、自己免疫の過剰攻撃による炎症が原因となって症状が現れます。
メントールが、この炎症を抑えてくれることにより、花粉症などのアレルギー症状の改善をはかることができるのです。
このメントールの抗炎症作用により、ミントの精油は、自己免疫の過剰攻撃で起こるリウマチや筋肉が傷つけられておこる筋肉痛の外用薬として効果があります。また緊張型の頭痛にはエタノールのチンキ剤を外用で用いると良いとされています。
筋肉の痙攣を抑える
私たちの筋肉(平滑筋)は、電気とカルシウムイオンというイオンによって動かすことができます。筋肉の痙攣などは、この電気とカルシウムイオンの作用がみだれてしまうときに起きます。メントールはカルシウムイオンの調整を行い、痙攣を抑えてくれるので、過敏性腸症候群(IBS)などの筋肉の動作異常によって引き起こされる症状にも適用できるとされています。*
参考文献
*Shinichiro, H.(2016). Encyclopedia of Medical Herb.Tokyo: Tokyodoshuppan
抗菌作用
残念ながら、全ての菌やウイルスに効くわけではありませんが、メントールは大腸菌や黄色ブドウ球菌に対して友好的であるということが確認されています。消化不良や吐き気がある場合には、ミントを摂取することにより有効性がみられるかもしれません。
しかし、あくまでもハーブは心や体に作用し、自己免疫力をあげていくものです。薬とは違いますので、病気を治すことはできません。あくまでも日常生活の中で楽しみながら、摂取していくものですので、体調が悪い場合は必ず医療機関で診てもらい、適切な処置を受けるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ミントは簡単の育てられますが、数多くの種類があって迷ってしまいがちです。
ペパーミントやスペアミントが一番定番で使いやすいかと思いますが、ご自身の使用用途に合わせて、ぜひ選んでみてください。
どんなミントがいいのか悩んでいる人にとって、この内容が少しでも参考になれば嬉しいです。
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