こんにちは、かとえりです。
季節は少しづつ秋から冬に。
最近は、コロナウイルス感染者が増加していますね。
空気が乾燥し、気温も下がるとインフルエンザなどのウイルスも流行り始めますので、ますます感染予防に気を使っていかなければなりませんね。
今回は、そんな時期にぴったりのハーブ「エルダーフラワー」をご紹介します。
目次
エルダーフラワーとは?
マスカットのような爽やかな香りをもつ、小さなクリーム色の花が可愛らしいエルダーフラワー。エルダーフラワーには、免疫力を強化する作用や発汗作用、鎮痛作用などがあるとされており、ヨーロッパの伝統医学やアメリカ先住民の伝統医学のでメディカルハーブとして用いられてきたとても有名なハーブです。そのためか、欧米ではエルダーフラワーを「インフルエンザの特効薬」や「田舎の薬箱」などと呼んでいます。
秋になると、ブルーベリーのような黒紫色のエルダーフラワーの小さな果実が熟してきます。この果実は、エルダーベリーとしてビタミンCが豊富なことから昔から風邪の予防や治療に利用されてきました。古代ローマでは、髪の毛を黒く染める染液としても使われていたようです。
また、ヨーロッパなどではエルダーフラワーは、魔女が好む木とされており、魔除けとして植える習慣があったそうです。木を切ることは縁起が悪いとされ、古い家にはエルダーの大木が見られます。
エルダーフラワーのもつエネルギーは、「控えめで、優しく穏やかに広がる」ことが特徴。
鼻や喉元などの体の弱った部分に到達すると、突き進むのではなく、優しく包み込むようにエネルギーを注入してくれるようなハーブです。
エルダーフラワーの効能
エルダーフラワーの効能は、発汗作用、解熱作用、去痰作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用など多岐にわたります。
早速、具体的に見ていきましょう。
初期の風邪やインフルエンザの対策に
欧米では「インフルエンザの特効薬」とも呼ぶエルダーフラワーは、ウイルスを不活性化させ、呼吸器系粘膜で増殖するのを防ぎます。また、エルダーフラワーの果実であるエルダーベリーの甘酸っぱい果汁には鎮静作用があります。その果汁は私たちの体の粘膜を保護し、喉の痛みや刺激性の咳を緩和し、私たちの体の細胞膜を強くしてくれるため、私たちの体はウイルスの増殖に対し、よりうまく抵抗しやすくなるのです。
また、エルダーフラワーにはフラボノイドやクロロゲン酸などのフェノール酸、カリウムなどの成分が豊富に含まれているため、発汗作用や利尿作用があり、初期の風邪や季節性ウイルスに効果的とされています。
花粉症や呼吸器系疾患の緩和に
エルダーフラワーには、抗炎症作用とともに鼻や咽頭などの粘膜の炎症による過剰な粘液を溶解・排出させる作用があるとされています。そのため、呼吸器系の疾患に効果があるとされているエルダーフラワーは咳・痰・鼻水などを伴う風邪や、花粉症などに対する効果が期待できます。
炎症でおこる様々な症状を抑える
エルダーフラワーには抗消炎作用があることから、関節の腫れでおこる捻挫やリウマチ、目の炎症なども原因の一つである充血、お肌の炎症でもあるニキビなどの吹き出物にも効果があるとされています。
エルダーフラワーの使い方
ハーブティー
最も一般的なエルダーフラワーの使用方法といえば、やはりハーブティーではないでしょうか。マスカットのような香りをもつエルダーフラワーは、単体で飲んでも、他のハーブとブレンドして飲んでも美味しいです。
ここでは、寒気がしたり、ちょっと具合がよくない時に飲むといいブレンドハーブティーのレシピをご紹介します。
ハーブティーの材料(ティーカップ2杯分)
- 生姜(フレッシュ) 10g
- エルダーフラワー 4g
- ターメリックパウダー 1g
- レモン汁 各カップに一絞り
- マヌカハニー 各カップに大1
ハーブティーの作り方
- 生姜をすりおろし、ポットにレモン汁とマヌカハニー以外の全ての材料を入れます。
- 沸かしたての熱湯500mlを1に注ぎます。
- それぞれのカップにレモン汁とマヌカハニーを加えれば、出来上がり。
洗浄液(外用薬)
冷やしたエルダーフラワーの煎剤や浸剤、薄めたチンキ剤は、湿疹や切り傷、炎症、腫れ物の洗浄液として使用できます。
洗浄液の作り方
- エルダーの有効成分を煎剤、浸剤、もしくはチンキ剤として抽出します。
■煎剤(デコクション)
煎剤とは、ドライハーブを水から入れて煮立たせ、蓋をして弱火で5-10分加熱してハーブの成分を煮出して抽出したものです。熱いうちにコーヒーフィルターなどで濾します。
- 水 1カップ
- エルダー(ドライハーブ) 小1-2杯程度
■浸剤(インフュージョン)
浸剤とは、ドライハーブをお湯もしくは水に浸して有効成分を抽出したものです。熱湯で浸剤させたものを温浸剤、水で浸剤させたものを冷浸剤といいます。温浸剤の場合は、エルダーのドライハーブに熱湯を入れ、2〜5分、冷浸剤は水を入れて7〜8時間浸しておきます。
- 熱湯または水 1カップ
- エルダー(ドライハーブ) 小2〜3杯程度
■チンキ剤(ティンクチャー)
チンキ剤とは、ハーブをアルコールにつけて有効成分を抽出したものです。煎剤や浸剤と比べ、高濃度のため必ず希釈して使用します。
- ウォッカ(アルコール度数40度以上のもの) 100ml
- エルダー(ドライハーブ) 20g
- ガラス容器
- 濾過用紙(コーヒーフィルター)
2. 煎剤、浸剤、もしくはチンキ剤として抽出したエルダーの有効成分をスプレーボトル等に入れて、完成。※チンキ剤の場合は、水で薄めてスプレーボトルに入れます。
傷口や気になる箇所にシュッとふきかけましょう。
料理
熟したエルダーフラワーの果実はジャムやソース、シロップに利用できます。
エルダーの白い小花を侵出または、煮出してレモン汁や砂糖などと合わせたシロップ、エルダーフラワーコーディアルは、イギリスなどで古くから民間薬として利用されてきました。
今回は、コーディアルの作り方をご紹介します。
エルダーフラワーコーディアル
コーディアルの材料
- エルダーフラワー(ドライハーブ) 26g
- 水 500ml
- 砂糖 830g
- レモン 1個
コーディアルの作り方
- 鍋に水を入れ沸騰したら、砂糖を加え溶かします。
- 削ったレモンの皮、レモンの果汁とエルダーフラワーを1に混ぜ、蓋をして24時間おきます。
- 2でレモンやエルダーフラワーを濾したら出来上がり!
湿布剤
エルダーの浸剤や煎剤または薄めたチンキ剤などに、ガーゼなど柔らかい清潔な布を浸して作ったものを湿布剤と言います。湿布剤は、疲れ目や目の充血からしもやけや皮膚炎など幅広く利用することができます。
湿布剤の作り方
- エルダーの有効成分を煎剤、浸剤、もしくはチンキ剤として抽出します。
- 煎剤、浸剤、もしくはチンキ剤として抽出したエルダーの有効成分に柔らかい清潔な布などを浸したら、湿布剤の出来上がり!
化粧水
エルダーのドライハーブを植物オイルに漬けて、有効成分を抽出させて作ります。
マッサージオイルに混ぜて使ったり、軟膏やクリームの材料としても使用できます。
化粧水の材料
- 100mlの遮光瓶
- ドライハーブ 5g
- エルダーフラワー 3g
- ジャーマンカモミール 1g
- ローズマリー 1g
- ローズ水 10ml
- グリセリン 2ml
- 無水エタノール 2ml(全体の5%が目安)
- 耐熱ガラス容器
- お好みの香りの精油(ラベンダーやローズなど) 1〜2滴
化粧水の作り方
- ハーブを耐熱ガラス容器に入れ、130mlの熱湯を注ぎます。
- 10〜15分おき粗熱が取れたら、コーヒーフィルターなどで濾します。
- 2を遮光瓶に移し、ローズ水、グリセリン、無水エタノール、精油を加えよく振れば完成です。
※1週間を目安に使い切って下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これから、徐々に気温が下がりはじめ、空気が乾燥する冬の季節がやってきます。
コロナウイルスの蔓延は依然と消息の気配が見えない中、季節性のウイルスも活発になってきます。季節の変わり目で、体調を崩しやすくなるこの時期に、エルダーフラワーで体の調子を整え、寒くなる冬に備えましょう!
コメント